LIVEHOUSE CB 5th Anniversary LIVE!!(3日目) 2005.11.23@LIVEHOUSE CB
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北天神の一角にあるLIVEHOUSE CBは、シナロケのドラマー、川嶋一秀が経営している。
BEGGARS BANQUET〜CBGB JAPAN〜現在のCBと、場所とハコの名称は変わっても地元の良かROCKの発信基地としての役割は何も変わらない気がする。
そんなCBの5周年記念イベントは、CBゆかりのバンドが大挙して出演する3日連続のイベントだった。
一日目に行徳伸彦と彼のコメッツ、Ooh LaLa、tommy & aji、Shiny Suger Smokin'、HONEY
HUSH、二日目にTY-BONES、ファンタジーズコア(長崎)、銀針、GYORAI69'x、THE FAKEBLUE'S、CLAPS…と、どの日も実力派バンドが目白押しの最終日のこの日、開演予定時刻を30ほど過ぎて、一番手のDesperationの演奏が始まった。
昨年アルバム『DYNAMITE』でKIRAKIRA RECORDより全国デビューも果たし、月何本もLIVEをこなして積極的に活動しているこのバンド、
「楽しい歌を歌えないので、悲しい歌で攻めて行くのでヨロシク!」
という積極的なのか開き直りなのかワカラナイMCで始まり6曲ほど演奏。確かに明るい曲はなかったが、それでも十分飽きさせない演奏力だった。ストレートなロックの良さを再認識させてくれるバンドだった。
二番手はバンビーノラジオ。
そのホノボノした雰囲気漂うホームページからはまったく音が予想出来ない。そしてIggy
Popの『T.V Eyes』をSEに出てきたのは…カワイコちゃんのボーカルにニットのキャップを被った大人しそうなベース、獣神サンダーライガーの真っ赤なマスクのドラム。ますます予想出来ない。始めた演奏はなんとラウド系のパンキッシュな音の洪水だった。この日は7曲ほど演奏。
ボーカルスタイルは、泯比沙子の影さえ感じるような壊れっぷり(まだ自称十代(年齢フショーだが若い事は間違いない(笑))だから、これからの変化が楽しみだ)。それでいてMCは天然系のホンワカ・ムード。ドラムは途中でデーモン木暮のマネまでする弾けっぷり(結構似てた)。そんな中、決してハデではないが淡々と確実な演奏を続けるベースの正確さは印象に残った。いや、このバンドだから余計マトモ(笑)な演奏が印象に残ったのかもしれない。
とにかく、インパクトが強力で、頭から離れづらい、また観てみたいバンドではある。
『The Show Must Go On』に乗って颯爽と現れたのは、QUEENのコピー・バンド、ザ・チャンピヨンズ。
この手のバンドは、開き直ってナリキリが出来るかどうかでその面白さが決まる。もちろん、その面白さを盛り上げるための演奏テクニックが高レベルである事が大前提だ(このテクニック部分がしっかりしていないと、ただの学芸会ノリのバンドになってしまう。
そういう意味ではこのザ・チャンピヨンズ、相当レベルが高かった。
「学生時代は本田美奈子に似ている似ていると言われていた」
とMCで言い切る堂々っぷり、
「11/3の来日ライヴの感動を今ここに!」
とうそぶく度胸の良さ、それでいて
「24日…フレディの命日、フレディにこの曲を捧げます」
と言ってボーカルがキーボードを弾きながら『Bohemian
Rhapsody』を熱唱するリスペクトっぷり、どれも見事だった。ロック・オペラと呼ばれるQUEENの代表曲を中心にコンパクトにまとめて、6曲楽しませてくれた。
バンビーノラジオにザ・チャンピヨンズと、続けざまの変化球バンドに翻弄された観客の前にTHE RAMONESの『電撃バップ』と共に現れたのは、正当派3ピース・バンドのTHE BIG NOSE。
THE WHOの『My Generation』のカヴァーで始まり、『キャロライン』『お前とCRAZY』『ダイナマイトでぶっ飛ばせ!』『イナズマファイター』などオリジナルを立て続けに全10曲披露して、掛け値無しにカッ良いステージを堪能させてくれた。
観客も会場内の空気もようやく暖まって来た21時前に、博多ザ・ブリスコが登場。
「CBGBの頃から毎年出させてもらってます」
という出だしのMCと、この日CDを場内で売っている事、12/23のワンマン・ライヴの話以外はほぼMCなしで立て続けに8曲演奏。
客の乗せ方もバツグンで、ようやく前の方に集まってきた客をうまく煽り、最後は長身のBass・タッキーが客席にダイレクトでジャンプして来て乱入、続いてボーカル&ギターのジャガー・イケミも客席でステップを踏みながらギターをかき鳴らし、興奮した熱気をKEEPしつつ演奏終了。年内一杯でこの二人の絡みのダイナミックな動きが見れなくなるのは残念だが、来年1月からは新たにキーボード・ゆかりんごを加えてベース・レスで早くも再スタートを切るとの事。今後もその動きとサウンドに注目して行きたい。
出足が遅いのは博多のイベント系の常で、博多ザ・ブリスコ辺りでようやく客席が良い具合に埋まってきた。毎回こういったイベントで思う事だが、せっかく色んなバンドが出るのだから勿体ない!お目当てのバンドだけ観てハイ終了、では何ともROCKの楽しみ方として味気ないと思う。この日出演したバンドはどれも一見の価値有り!と思うし、それを観た上で好きになるか受け付けないかはその人の自由だ。でも観ない事には何も始まらない、何も変わらない。メディアから垂れ流し的に流れてくるメジャーのヒット・チューンだけに踊らされてる閉鎖的な連中と大差ないんじゃないのか?
さて、そんなこっちの思いとは関係なく登場したのはTHE WILD WEEKEND。この日は全員黒っぽいイメージの服でキメて、出だしの『MARIA』からほぼMCナシで9曲、途中ギターのジェームスがボーカルを取る曲も交えながら熱気の塊を叩きつけて演奏していった。
このバンドのノセ方、聴かせ方は堂に入ったもので、観客全体の足がジワジワとステージ前へ集まって来ていた。後はトリの登場を待つのみ。
22時をとっくに過ぎた頃、いよいよBegatta登場。川嶋一秀(Sheena&The Rokkets)とSHIRAI.Bro's(ex
SHOT GUN, HAKATA BEAT CLUB)による、博多ならではのスーパー・ユニットだ。別にこの日限りの組み合わせではなく、親不孝通りにあったBEGGARS
BANQUETの頃から演奏していた。いや、もっと昔から古い知り合いである三人は各所でセッションや演奏を繰り広げていたと聞く。その円熟した演奏がゲストを交えて堪能出来た一夜だった。いつの間にか観客も一杯だ(もっと早く来て存分に楽しめばいいのに…)。
Dick Daleの『Misirlou』を皮切りにSHIRAI.Bro'sのオハコ、白井哲哉のボーカルが圧倒的にシブくカッコ良い『SOMTHING ELSE』、YARDBIRDSの『FOR YOUR LOVE』とナイスなナンバーのオン・パレード。
4曲目の『Honky Tonk Woman』からゲストのAkariが登場し、セクシーな衣装で『Hot Legs』『Hippi Hippi Shake』『Get Back』を続けて熱唱。観客も手拍子で応える。
ジミヘン・ナンバー二連発を披露して白井俊哉のギターに酔った後、この日告知されていなかったゲストが登場。Zi:LiE-YAの柴山"菊"俊之だ。
この突然のゲストに、客席は大いに沸き、一気に人波が前に押し寄せる。
12/17の博多ワンマン・ライヴの紹介をした後、『キングスネークブルース』『i love you』とSONHOUSEナンバーを連続して披露。SONHOUSEはもちろん、Zi:LiE-YAの現在のステージでも時折演奏するこのナンバーだが、やはりどのバンドとも違うBegattaならではの、ノリの良さと曲の深みを同時に感じさせる演奏だった。
二曲演奏後、ステージ上は皆引き揚げて無人になる。それでも鳴り止まないアンコールにBegattaと菊が再度登場。アンコールはまったく予定してなかったようで、その場で即席で決まった『ビールスカプセル』をCB中の観客すべてにぶちまけてボルテージ最高潮のまま、この日の宴は終了した。
演奏後、最後に挨拶した川嶋の笑顔がこの日のイベントの素晴らしさを何よりも物語っていたと思う。
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<敬称略、文責:hakata-rock.net編集部>
<取材協力:LIVEHOUSE CB、各出演バンド、当日のお客さん&Than-Q> |