File.05 / 1976.春 『ザ.ツアー』
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76年春のザ.ツアー(というタイトルだったと思うけど)のサンハウスは、ゴダイゴ等と一緒に全国を回っていた。自分が観たのは、福岡市少年文化会館で行われたもので、会場に入る時に貰ったチラシに「昨年、鮮やかにロック界を直撃したサンハウス待望のセカンド・アルバム「仁輪加」が近々発売される」って書いてあった。
ゴダイゴは2番めに登場し、ヒット曲「ガンダーラ」等をタケカワユキヒデがキーボードを弾きながら歌ったり、しゃべったりしていた...けど、観客はおとなしかった。
トリはサンハウス。きょうは全員一緒に登場してきた。菊は真っ黒な衣装だった。一曲めは珍しく「ロックン・ロールの真っ最中」。最初からステージ前に押し寄せた観客は歓喜の声を挙げて、踊りまくった。鬼平の最初のドラミングに合わせて、菊もツイストしていた。サンハウスのライブでは、よく笛の音が聞こえることがあった。客の中の誰かが笛をピーッと吹きながら踊ったりしていたようだ。
2曲目、3曲目は知らない曲だった。きっと「仁輪加」に収録されている曲だろう。あとで「爆弾」「だんだん」だとわかった。「爆弾」はT.REXの「ゲット.イット.オン」を彷彿とさせるヴギがとても素晴らしい。歌詞は、「世間知らずの箱入り娘、それに教育ママさんも...俺の腰には気をつけろ〜、魚雷があんたを〜狙ってるぅ...」なんと過激な歌詞だこと...。「だんだん」も「ねぇ、かわい娘ちゃん〜俺と一緒に〜...」って激しいラブソングだぁ。「だんだん」の終盤に菊が一旦、引っ込んだ。
しばらくして、次の曲「あの娘に首ったけ」のイントロが始まった時、菊は真っピンクの衣装に着替えて出てきて「恋の魔力に魅せられ〜て〜」って歌うと客席からその妖麗さにため息が漏れた。そして、アップテンポに変わるともう、会場は大騒ぎだった。
終盤は、「ミルクのみ人形」「もうがまんできない」などのロックン・ロールメドレーが続き、やはりこの曲「レモンティ」で最高潮になった。菊は「レモンティ」の間奏の時、左に態勢を傾けて、右手を45度くらいに挙げ、中指を伸ばすポーズをとっていた。いつも「このポーズは何の意味だろう?」って思った。
(続く)
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文:なまず
参考:Captain YAMPO 著 『菊の花道』
<敬称略、文責:hakata-rock.net編集部>
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