15:30。友人と3人で会場入り。なんとなく、いつも行くライブと熱気が違うのは気のせいか。それとも昨日までの3日分の熱気が残っているのか。
会場に入るなり、ロビーでサンハウスのTシャツを即ゲット。2枚買おうと思ったけど、1枚¥3,500はちよっと高いよな。でも、こんなもの、誰が作ったんだ?
ライブは、16:10頃、かなぶんやのMCで幕を開けた。司会のあんたが興奮してどうするんだよ。でも、その気持ち、よく分かる。
<Ruby>
START 16:15
オープニングの「暗殺のオペラ」の重苦しいギターリフが鳴り出した瞬間、「遂に始まった」と思うと、全身に鳥肌が立った!
…って、客席もいきなり総立ちだよ。俺も立たなきゃ前が見えねぇや。1F16列。
まぁまぁだが、なかなか微妙な位置だ。いざとなりゃ前へ押し掛けて…と思っていたけど、最近の客は行儀がいい。いくら警備員が通路に立っているとはいえ、結局終演まで前に客が押し寄せることはなかった。
Rubyはアルバム同様低音の洪水で、腹にブンブン来る音だった。
客席は総立ちになったは良いが、音に圧倒されて、呆然と聞き続けている感じだった。オープニングがARBだったとしたら、「熱狂ライブ」になっていただろうけど、「伝説ライブ」=博多のかっての伝説と現在を確認するには、Rubyで正解だったと思う。このオープニングがこの日の客席の色を決めてしまったようで、最後までみんな静かにじっくりと楽しんでいた(除く・アンジー&ARB)。でも、決してノリが悪かったり客席が引いているわけではなく(除く・広石バンド)、いいライブだった。
[01 暗殺のオペラ]
キク(このバンドでは芝山か)が、ノシノシ恐竜みたいに歩きながら吼える。時々音が外れ気味だけど、まぁそれもキク(って、どうしてもこう呼んじゃうよね)の持ち味だよな。サンハウスと動きが違うのは流石。悪態のつき方(ほとんど喋らんかったけど)も抑え気味。服装も革ジャンに革のパンツと、サンハウスとの差別化を意識しているのが明確。
KyonのKeyが、なかなかいい味出してた。
[02 L-O-V-E]
一曲目から続けて流れ込むようにあの独特なリフ(アルバムじゃマコちゃんが弾いてた。コーラスは石橋凌だった!)が始まる。やっぱカッコイイや。
しかし、「今日のこのメンツならレコーディング時のメンバーが再現できる。ひょっとしたら…」とちょっと期待したのは俺だけじゃあるまい。
[03 Paranoia][04 満月の夢][05 くるくるパラダイス]
(Rubyのホームページでは「くるくるパー・ライフ」となっている)
う〜ん、藤沼のGがこれほどとは!またマコちゃんとは違ったタイプで、なかなかいいやん。アナーキー侮りがたし!!
でも、視覚的になぁ…。見ててスゴイ!とは思うけど、カッコイイ!!とは思わんなぁ。
リズム隊もズンズンした音で、いいバンドと思う。
[06 黒い地球儀]
延々と続くギターソロが見所だった。アドリブの凄さを感じさせるバンドやね。ここでもKyonのKeyがうまくからんでいた。重爆撃バンドだが、Keyは外せないね。
しかも、Kyonの変幻自在の、裾野の広い音だからこそだと思う。個人的には野島健太郎のピアノを多用する音付けや、安藤のシンセ音も好きだけど、このバンドはやっぱりkyonでしょ。曲によってはGも弾けるし。
アンコールもなく、演奏が終わるとさっさとRubyは引き上げてしまう。「対バンが多いときはトリのみアンコール」という暗黙の予定調和は、こうも徹底しているのか?かって、RCとロケットが対バンで出て(その頃はまだRCの方が前座だった)、お互い延々とアンコールをやった…というようなことは、もはや昔なのか?このあたり、今ひとつ釈然としない。当然、ひとりアンコールの拍手をしても、誰も付いてこない。虚しい。こら、そこ、とっととトイレに立つなーっ!!
再びかなぶんや登場して、セッティングの間広石のエピソードを紹介(サンハウスを初めて聴いたのは、彼が小学校5年のとき、云々)。そして、広石登場。
<広石武彦(?曲)>
本日唯一のお座りタイム。ゆっくり休ませて頂きました。だって、広石、アップビートアンダーグラウンドの頃と全然変わってねぇんだもん。唄は下手だし、相変わらずフニャフニャ動くし。もう一辺、天神解放地帯からやり直してこい!!なんでお前が出てアクシデンツが出ねぇんだ!?あんまり唄うとサンハウスの演奏時間が減るだろうがっ!俺と同じ歳でその外見は反則だ!!
…と、多分に個人的な感情を交えながら、怒りつつも冷静に見てました。知っている曲も感想も、特になし。本人一生懸命やっているのは認めるけど、他のバンドと差がありすぎたね。客席は皆同じ思いみたいで、Rubyの時の張りつめていた空気とはうって変わって、えらくノンビリした雰囲気が漂っていた。
唯一印象に残っているのが、クネクネした動きの茶髪の長身G。何となく気になる存在感があった。後で知ったが、最終期のスターリンにいた奴らしい。なるほどな。
三たび、かなぶんやMC後、水戸華之介&中谷ブースカ登場。ブースカの方は、一部で今後音楽活動しない!宣言をしていたこともあり、驚きの声を上げる客も多かった。
アンジーの復活を期待していた俺としては、少々残念だった。
<アン(ジー) by/ 水戸華之介&中谷ブースカ >
[01 銀の腕時計]
ピアノが加わった、3人編成のシンプルだが深みのある音。
不覚にもグッとくる。一番苦しかった新婚時期に、妻と一緒によく聞いていた曲だ。もちろん、名曲だが、結局、曲の善し悪しなんて、聞く側の思い入れが一番なのか。「ユーミンが思い出の曲で…」とか言って泣いてるバカOLを以前見下していたが、俺も一緒かね。でも、この曲の方が1万倍いいぞ!
[02 天井裏から愛を込めて]
「いよいよ最後の曲になりました」って、もうおしまいかよ!?でも、その分、ここぞとばかりにステージ・客席共盛り上がった。瞬間最大風速は、ARBより上だったかも。熱意を2曲に凝縮した感じでよかった。ヘルプでぞろぞろ出てきた広石バンドの連中も、さっきの鬱憤を晴らすように大張り切り!!客の方も「やっぱりサンハウスです」「今日は凌さんに会いに来ました」とか、みんな、アンジーを口に出さない割には、大合唱が巻き起こっていた。スカッとした場面だった。
水戸は、相変わらず喋りがうまい。東京で悶々としているのはもったいない!これで、当初の予定どおり陣内が今日のラインアップに入っていたら、全体的にまた違った盛り上がりがあったんじゃないだろうか?
ブースカは終盤ブチギレていた。なんのかんのいっても、ジュークレコードの店員で現場にいない鬱憤が色々溜まってるのかなぁ(決してジュークが悪いと言っている訳ではない)。またスカート姿でギターorベース担いでステージに立って欲しい。
15分ほど経過して、またもかなぶんや登場。セッティング待ちにはちょうど良い喋り。さすが現役DJ(テレショッピングにも出てるけど)。でも、職権乱用で、朝一番からリハを観てるのはずるいよな。うらやましい。
<花田裕之&Rock&Roll Gypsies>
[01 Walkin' The Dog]
練習でも始めるように、すっと曲が始まる。
年月が過ぎて各自のテクニックは向上したとしても、やっぱり俺には「ルースターズ」−「大江」+「Kyon」にしか見えない。
演奏開始前に、客席のあちこちで飛んでいた声援の中で一番多かったのが「大江〜!!」だった。
ちょっと演奏する方には酷だよな、とも思うけど、俺も含めて客の多くが、大江復活に一縷の望みをかけていたのも事実。
曲自体は、なかなかいい感じだが、それ以上でもそれ以下でもない。ロケットバージョンの方が数段上だ。
ここでは、池畑のダイナマイトドラム健在を確認できたことが、一番の収穫だった。相変わらず、キックでバスドラムが前にズレていってるよ。なんか、それだけで、妙に嬉しかった。
[02 Love Hurt][03 汽車はただ駅を過ぎる]
ルースターズ時代の花田のボーカルは、はっきり言って嫌いだった。「SOS」のプロモを見た瞬間、俺はルースターズファンをやめた。
しかし、この花田はどうだ。相変わらず決してうまいとは言えないけれど、自分に合った曲で唄っている。ルックスのよさゆえ、今でも花田には唄わないギタープレーヤーであってほしいが、初めて聞く今日のソロの曲はなかなかよかった。
[04 Rosie(レゲエ・バージョン)][05 バチラス・カプセル]
この2曲は、本日用のファンサービスだろう。そうと思っていても、ロージーのイントロを聴くとゾクゾクくる。しつこいようだが、「ここで大江出てこないのか」と期待したりもした。
この2曲にキーボードは不要だよ、って友人が話していたけど、それじゃルースターズだろう!大江がいない分だけ、当時以下じゃないか!
KyonのKeyが入ってこそ、これがジプシーズの曲になるんだろう。
バチラスカプセルは、花田のサンハウスへのラブレターか。アレンジはルースターズのものよりさらにブギ調のリズムで、これはこれでいいんじゃないのか。
下山と井上は、極力表に出るのを抑えてバックに徹していたが、いい音を出していた。
ただ、花田のボーカルはやはり物足りない。好みの問題と言ってしまえばそれまでだが。
[06 On The Road Again][07 Miracle]
悪魔を哀れむ歌、入ってました。格好良かった。アンタ、やっぱりギターに徹するべきだよ。それとモデル。
この辺りは、ルースターズ関係のMLでさんざん語られていて、こっちもあまり思い入れがないので、詳細省略。
ぼちぼち佳境に入ってきた。残り3バンドの順番はだれでも予想が付く。同時に、「ついに復活を見れる」の期待が高まる。
かなぶんやの紹介MCで、あの風が吹く音のSEが流れ出す。会場すでに総立ち。
<ARB>
START 18:42
[01 喝]
メンバー3人が先行して演奏を開始し、ギターのカッティングリフと共に石橋、登場。ミュージックステーション出演時と同じ格好でイカす。会場中「凌ー!!」の男共の声の嵐。
この曲で一気に会場全体のボルテージもヒートアップ。
一時、別人のように太っていた石橋だが、再結成に当たってかなりシェイプアップしたんだろうなぁ。現役時ほど細くなってはいないけど、十分意気込みを感じる。
[02 乾いた花]
前の曲と続けて演奏が始まる。選曲が嬉しいね。「野良犬」や「さらば相棒」なんかも聞きたかったが、この日は外れのない選曲だった。
ただ、まずは顔見せということで、初期の曲ばかりになったんだろうが、新曲「Tokyo Outsider」はやって欲しかった。たとえ客席が引くことになったとしても。
今度のギタリスト(エビだっけ?)[←注:もちろんコーヤの間違いです。この頃は新メンバーの顔も名前も認識していなかった]はカッティングがうまい。ARBのイメージを壊さず、よく頑張っていると思う。ただ、それ以上の凄さは感じない。それが限界か。
やはり、田中一郎のシャープさや白浜久の存在感を越えることは容易じゃない。
[03 スタンディング・オン・ザ・ストリート][04 AFTER '45]
演奏もしっかりしてるし、曲も耳に馴染んだ曲ばかり。なのになんとなく雰囲気が違う。メンバーのせいか、とも思っていたが、このあたりでやっと気が付いた。今回の石橋は、よく笑う。しかも歯を見せて。昔は、どちらかというとしかめっつらが多くて、たまに笑っても、一瞬だけニヤリ、と言った感じだった。
しかし、笑うと言っても、ニタニタして気持ち悪かったり、媚びたヘラヘラ笑いではない。音楽を楽しんでいる気持ちがあふれている、気持ちのいい笑いだ。大人の笑いだと思う。これはこれで、成長したARBという感じで、良いと思う。
それにしても、キースのドラミングは、とてもタイトでいい感じだ。池畑や鬼平とはまた違った、博多のロック(本人は東北出身だが)には欠かせないドラマーだ。今まで何してたんだろう?もっと表に出てばんばん演ってくれよ!
[05 ダディーズシューズ]
「岸川さんに捧げます」と言って始めたこのナンバー。
石橋のフットワークが軽い、軽い!この辺りも、かなり鍛え直してきたんだろうなぁ、と妙に感心する。
[06 ウィスキー&ウォッカ ][07 東京シティは風だらけ][08 魂こがして]
嬉しい選曲立て続き。何の捻りもないストレートさが、ARBらしくて潔し。また、昔の人気曲をこれだけ堂々とやれることこそ、今回復活の自信の表れだろう。
横浜銀蠅が再結成で「つっぱりハイスクールRock'n'Roll」やるのと、訳が違うぜ(なんで今日の伝説ライブの客に再結成ライブのビラを配るのか、銀蠅?みんな苦笑いしてたじゃねーか)。
「ウィスキー&ウォッカ」では、「アメリカ、ソ連に中国が…」のところを、「アメリカ、ソ連にイラクが…」と唄っていた。こういうちょっとした所にARBらしさを感じて、嬉しくなってしまう。
「ARBとハウンドドッグとどう違うの?」と訊いてきたバカヤロな友達が昔いたが、メッセージ色とブルーカラーソングだよ!この男っぽさが良かっちゃん!
「魂こがして」はMy Favorite Songの一つでもあるので、特に大乗り!今度のシングル聴いても感じるが、雰囲気が本当に初期のARBっぽくていいよな。
これだけ盛り上がったのに、アンコールもなくあっさり終了。みんな行儀よかねぇ。
またまた、かなぶんや登場。「いつもならこういうイベントでは、このバンドがトリなんですが、今日は、あのバンドがありますので…」とのMC後、ロケット発進!
<Sheena & The Rokkets>
START 19:25
[01 ビールスカプセル]
花田に対する返礼とばかりに、一発目にこれをぶちかます心地よさ。やっぱマコちゃんのギターの方が数段上やね。
マコちゃんは、今日はブルーのぴしっとしたスーツ上下に、オールバックで決めている。久々にソリッドな格好で痺れる。
[02 オマエガホシイ][03 退屈な世界][04 ロックの好きなベイビー]
2曲目で早々とシーナ登場。それにしても、今日のシーナ、いやロケット全体が、何かいつものロックの大御所としてではなく、純然たるサンハウスの前座を演じていたような気がするのは、俺の気のせいか?本人たちもそれに徹していたような気がする。もちろん、手を抜いていたり、力をセーブしていた訳ではないが、何か、会場全体−客席、ステージとも−サンハウスの前座を観ている空間がそこにあったような気がした。なにしろ、MCも控えめで、シーナなんか、かなぶんやいわく「このひとが実は一番サンハウスを観たがっているんじゃないでしょうか」状態だもんなあ。さっと引っ込んでサンハウス観ましょ、という感じだった。マコちゃんも今日はギター代えもせずに、少々チューニングずれても同じヤツで弾き続けるし。
俺にしても、去年の10/27にドラムLOGOSで観たロケットのライブが最高にイカしてたし、最前列でずっと観ていたので、場所的にも内容的にも今日と較べようがない。
ただ、勘違いしないで欲しいのだが、この日はこの日で良かった。ケースバイケースで役割を演じ分けられるロケットの懐の深さを再認識したぐらいだ。ドラムLOGOSの時より、ゆっくり落ち着いて見れたしね。
[05 トレイントレイン]
@HEARTバージョン。昔から好きな曲で、なかなかライブでは演らないので、演奏は見れないだろうと思っていたら、最近の定番になってしまった。ただ、アレンジ的には、昔の方が好き。ついでに「涙のハイウェイ」もやってくれんかいな。
[06 レイジークレイジーブルース]
これは、以前、シーナ産休のロケッツ時代に、TVでマコちゃんが唄っていたのを観たことがある(「私がこの世から…」が「僕がこの世から…」になっていた)。ムチャクチャかっこ良かった。この曲は、昔より、より妖しいアレンジになっていて、最高。
[07 レモンティ]
これも定番。後のサンハウスでも演ったし、「ビールスカプセル」といい、今日は意図的なバンド別聴き比べ大会か?やはり、サンハウスバージョンとは違う、ロケットアレンジを、マコちゃんはキチッと使い分けていた。でも、それなら、あえて「夢見るボロ人形」とか「ダイナマイト」とか演って欲しかったよな(絶対せんだろうが)。
昔、野島健太郎が、この曲のソロ部分をハンディシンセで引いていて、手酷い「帰れ」コールを受けていたのを思い出してしまった。
[08 ユーメイドリーム]
今日のロケットラストは、やっぱりこの曲。最後のリフレインもあっさり短めに終わる。
終わった後、シーナだけステージに残っている。
何だ?と思っていると、「次は、私もグルーピーだった、サンハーウス、サンハーウス、サンハーウス!!」と、客席を煽る。煽るだけ煽ったら、さっさっと引っ込んだ。何か、いかにも「さあ、やっと観れるわ」という感じ。ほんと、楽しみにしているんやね。
終わってみれば、え、もう終わっちゃったの?という感じ。あっさり目のロケットなんてね。本当は、密かに旧ロケットリズム隊(浅田&川嶋)の復活を期待してたんだけどなあ。特に浅田さん!開戦前夜(with森山達也)〜ロケット〜ARBと渡り歩いた、正に博多ロックの歴戦の勇者が、なんでこの場にいないのか?自分の中でのロケットは、やはり旧リズム隊在籍時がベストなだけに本当に観たかった!!川嶋さんは、打ち上げに出演メンバーが大挙して店(ベガーズバンケット)に押し掛けたらしいけど、浅田さんは果たして楽屋に来ていたんだろうか?
セッティング後のかなぶんやの紹介「そろそろ、博多の伝説をよみがえらせましょうかね」で、遂にサンハウス、スタート!
<サンハウス>
START 20:17
[01 爆弾]
来た、来た、来た、来た、来たあ〜!!カポを鬼平が叩き始めると、会場内は歓声の嵐!それにしても、長いカポだな、おい?何回叩いてるんだ?
サンハウスを生で観るのは、小戸公園に続いて2回目だが、動く篠山(笑)を観るのは、初めて。自分の中でも、この日のメンツがベストメンバーだけに、感慨もひとしお。
それにしても、リズムギターの加わった上での鮎川(サンハウスでの呼び方はこうでしょ、やっぱ)の演奏は、こうも違うものか。余裕があり、かつ大胆なプレイ。奈良も、前回再結成時とベースアレンジが違っていた。まさにこれがサンハウス!といった音だった。前回の再結成時ツアーの時とはまったく別物(あの時は、ほんとに日によって雰囲気が全く違ってた。音源を聴いた限りじゃ、LIVE INN > 小戸公園 >日比谷野音)。今回は「DRIVE」に近い雰囲気かな。もちろん、どんなに状態のいい音も、生には叶わない。今日何回目の鳥肌だろう。
[02 キングスネークブルース][03 ミルクのみ人形][04 風よ吹け]
[05 スーツケースブルース]
さあ、困った。何がって?どこに目をやって良いか分からないんだよ!
Rubyならキクさん、ARBなら石橋、ロケットならマコちゃん…とか、ステージ観てても常に中心となる視点があるわけだが、このバンドは…どうしよう!
鮎川はもちろん、サンハウスとしてのキク(友達と、「いっそ再結成で出てくるっちゃき、にわかの裏ジャケットのように、化粧して長髪で女物の着物着てこんやろか」とか冗談で話していたが、まさかホントにそれに近い格好で来るとは…しかもそれがカッコイイ!!)の動き、二度と観れないであろう"運送屋"鬼平と"電機屋"篠山の、サンハウスでの勇姿と…。この日、もっとも眼が行かなかったのは、奈良かも知れない。一番、メンバーの中で淡々とプレーしてた。
篠山なんて、スーツ姿にサングラスで、最初は「初めてスーツを着た中国人にギターとサングラスを持たせてみました」状態だったのに、リズムギターを黙々とプレーする姿は、まぎれもなく格好良かった。
鬼平も、浦田とは一味も二味も違って、なんか博多のロックドラムのお手本みたいな叩き方だった。池畑もこれ観てドラム覚えたんだろーな。井上の師匠は奈良らしいし、博多は師弟関係ができあがっとるなー。鬼平さん、えらく楽しそうに叩いてたなあ。でも、リズムキープは決して崩さないところが、やっぱりすごい!
鮎川は張り切ってる!アクションが大きく、多い!キクは、やはり、動きがサンハウスのキクだった!お得意の、キングスネークのマイクセン○リも見せてくれたし。
曲については…いままで他のバンドはどうだこうだ言ってきたが、サンハウスは…「スゴイ」。この一言でしか言えない。例えば、ストーンズのライブなら、ミックの動きがどうのこうのとか、キースがどこでギターチェンジしたとか、もう少し冷静になりながら楽しめるのだが、このバンドだけはだめだ。もはや自分がミーハー状態だし、実際この日の演奏が素晴らしかったので、いちいちどうこう言えない。
「何だよ、ろくなライブレポートじゃねぇじゃねぇか」と、笑いたい奴は笑え。だって、本当に「スゴイ」のだ。
それにしても、バックに確実にリズムギターが鳴っていることの素晴らしさよ!どの曲も、鮎川は存分にリードパートをかき鳴らしていた。
[06 ふるさとのない人達]
キク「にわかの中から一曲やります」
客「雨!」
キク「…だれがそげな曲するか!」
このぶっきらぼうな客との掛け合いも、サンハウスの楽しみの一つ。あと、どこで言ったか忘れたが、こういうのもあった。
(かなぶんやが「楽屋裏に演奏する自分を見せるため、子供さんを連れた方もいらっしゃって…」と言っていたのを受けてだろうが)
客「キク〜」「キクさーん!」「パパー!」(場内笑)
キク「俺は子供やらおらん!!」(場内爆笑)
キク「(篠山を指さして)…あんたのことね?」(篠山、黙ってニヤニヤ笑っている)
(その後、何曲か演奏して)
客「キクー!俺をあんたの息子にしてくれ〜!!」
キク「男やらいらん!!」
客(女)「キクさーん」
キク「娘やったら、いつでもいいいバイ。すぐ来ィ。すぐしちゃるケン」(何を?)
…あんたは、やっぱり荒くれ航海士だ。
結果的に、ロフトの22曲やった中から15曲のセレクトの演奏だったけど、割と渋めの選曲で良かった。ロフトで演った「ふっと一息」が漏れていたのは、残念!!だから、広石を…(シツコイ)。
[07 なまずの唄]
最後のリードギターは、なんと篠山!!考えてみれば、鮎川のギターの音じゃないよね。篠山が、サンハウス以前はバリバリのリードギターだったという話も納得。
篠山ファンの隣の席の友人は、「やっぱ、そうやった〜!」とやたら興奮していた。
[08 ロックンロールの真最中][09 もうがまんできない]
サンハウスの定番ナンバーが続く。演奏内容は、…だからスゴイんだって!!
しかし、この日の演奏は、歴代のサンハウスのライブ中でもかなりクオリティの高い部類じゃないかな。他のは音だけしか聴いていないので、何とも確かなことは言えないけれど。
荒っぽすぎず、まとまりすぎず。凄く絶妙なバランスをキープしていた演奏だった。
先月22のロフトと両方行った人の中には、ロフトの方が演奏が白熱しすぎて良かった、という人も多いが、俺は荒っぽいだけではない、落ち着きも兼ね備えた存在感で圧倒するバンドとしてのサンハウスを観たかったので、この日は無茶苦茶満足した(ホンの少〜し、ロフトに行けなかった負け惜しみも入っている)。
[10 あて名のない手紙]
感動的な間奏が延々と続くこの曲。やはり、ギター2本あってこその、「あて名のない手紙」だ。
嬉々として鮎川がリードを引き続けるステージを見つめながら、瞬間、自分の中で時間が止まった気がした。
「ああ、"至福"とはこういうことなんだな」
俺は、何か宗教をやっている訳ではないが、大げさでもなんでもなく、本当にそう思った。ステージ上のサンハウスのメンバーも至福だろうし、その瞬間を今同じ空間で観ていることができる状態の俺も至福。この瞬間を味わえる幸せに、本当に、今までロックを聴き続けてきて良かったと思った。何か、涙出そうになったよ。
この時が、俺の中でこの日のハイライトだった。
[11 やらないか][12 地獄へドライブ]
これも、ツインギターだから余すところなく演奏されていて、かっこいいんだ、これが。何か、こればっかりだが、やっぱりこのメンバーだけでこそなしえる演奏だった。
「やらないか」の間奏ソロで、篠山がちょっとトチったのは、ご愛敬でいいんじゃないかな。
演奏中に時々篠山と奈良が何か談笑してるのさえも、「おお、カッコイイ」と思ってしまう。
「やらないか」は、そのうち会社で大儲けして、絶対版権を買い取ってやるんだ!マジで。もちろん、有限会社サンハウスの社歌だ!石井総互が「カラカラ」持っているというし、俺にだってやればできるさ。この日、改めて堅く決意した。
(アンコール)
[13 Highway '61]
やってくれるぜ、サンハウス!「俺たちは、ブルースバンドだ!!」と、演奏で思いっきり主張している意気込みが、こっちにもビンビン伝わってきた。
[14 すけこまし]
この演奏も、かっての全盛期を思わせるタイトな音で最高だった。
[15レモンティ]
たぶん、いや、絶対キクはヘタバっていた。「すけこまし」で終わらせるつもりだったはずだ。鮎川が「レモンティー」のリフを弾き始めたときの、一瞬「ゲッ、まだやるの!?」と言った表情がおかしかった。やっぱ、ライブで鍛え続けてウン十年のマコちゃんは別にしても、キクさんは1バンドオンリーじゃないと、体力が続かないか。
この曲は、やはりサンハウスのものだ。今まで、色々なバンドのコピーを観てきたが、どんなバンドも本家本元にはかなわない(エアロスミスさえも…!?)。このメンツで演奏してこそ、「レモンティー」パーフェクトバージョンだ!
演奏後も、再度アンコールの拍手がなったが、かなぶんやが出てきてしまった。「凄かったですねえ!えー、いつまでも観ていたいんですが…」それじゃ、出てくんなよ!!と思ったが、進行上仕方なく出てきたんだろう、と勝手なことを考える。
裏方で活躍したスマイリー原島(頼む!一曲でいいから歌ってくれ〜!!と思ってしまった)とかなぶんやの掛け合いで、出演した各バンドをステージに呼び寄せる。
この日一日、順番で観てきたが、改めて一堂に会すると、本当にスゴイ顔ぶれだ。あと、これに陣内とMODSが加われば、もう何にもいりません!!という感じだ(群れる事を毛嫌いしているMODSは絶対不可能だろうが)。
最後は、主賓ともいうべきKBCの岸川ディレクターをステージ上に呼んで、花束贈呈(シーナ、石橋、キクの順、だったかな)。
シーナが岸川氏の頬にキスすると、会場中がどよめく。続けてキクもキスを…岸川氏は、本気で逃げていた。
そして、セッション開始。
<セッション (ALL GUEST with 岸川さん)>
START 21:25
[Mojo Walkin']
普通、ラストセッションと言えば、「Satisfaction」「Jhonny B Goode」「Get Back」とか、この辺りでしょ。「Mojo Walkin'」演るか〜?あまりにも博多のバンドっぽくて、嬉しすぎ。
ちょっと、サンハウスの曲も期待したけど、大勢でやる曲じゃないしね。
でも、超豪華メンバーだ。池畑と鬼平のツインドラムなんて、もう絶対観れないよな。途中で、鬼平はキースと交代してた。10分以上演奏が続いたと思うけど、あと何曲か観たかった。一曲だけなんて、もったいない!
こういうアレンジの「Mojo Walkin'」もアリなんやね。格好良かった。あれだけ大人数の中でも、篠山のギターがしっかり聴こえていたのが、印象に残った。
立ちっぱなしで足ガクガク、耳はぶっ壊れかけ、とヘロヘロで、3人連れで22:00頃会場を後にした。
後日、ベガーズバンケットで、出演メンバーの打ち上げ&大セッション大会があったのを知って、ムチャクチャ悔やんだ。次の日の仕事を気にして(結局、次の日は死んでいたが)帰ったりするんじゃなかった!!後悔先に立たず。
4日続きの伝説ライブの最終日だったが、終わってみれば、自分の周りだけでなく、地元メディアの扱いもサンハウス一色だった。再結成した海援隊のことも、誰か語ってやれよ(笑)
それだけ、スゴイ、ライブだった。
この日の、最終的な感想。
「サンハウスありがとう。俺も転がり続けるけん、またいつか伝説を見せてくれ!」