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Blues Lionを観たのはこの日が初めてだった。 それにもかかわらず新鮮な驚きよりは今まで求めていた音を目の当たりにした感動の方が大きかったのは、サンハウスを源流とする日本の、いや博多のBluesがこのバンドにしっかり息づいているからだろう。 サンハウスは元々泥臭い1930年代のBluesを基底に置きながら徐々に日本語のオリジナル・ロックへと移行してゆき、プロデビューの『有頂天』発表後にその方向性が確立したと思う。が、日本語のロックではなく日本語のBluesへの道を選んでいたらどうなったか?関西のウエストロードブルースバンドやブレイクダウンとはまた違ったBluesを表現したことだろうと思う。 そして、その答えがこの日のステージ上にあったような気がした。 無論、サンハウスはマコちゃんがいて、奈良や篠山、鬼平がいてこそのサンハウスだ。奈良がバックにいるものの、Blues Lionとはメンバーが違うのだからこれが現在のサンハウスではないのは分かり切ったことだ。それでもステージ上にもう一つのサンハウスを見た思いがしたのは、キクのカリスマ性のなせる技か。 (ここで言うカリスマは、真の意味でのカリスマだ。最近の"カリスマ美容師"などという言葉本来の意味を陳腐化させてしまったチャンチャラ可笑しいカリスマとはまったく次元が違う…と、こういう説明を入れないとカリスマという言葉の定義すら出来ないのが馬鹿馬鹿しい。嫌な時代だ。) しかし、1970年代にサンハウスがBluesを表現していったところで、Blues Lionのようにはならなかっただろう、とも思う。 ギラギラした20代のキクではなく、年齢も50を過ぎて人生の深みをステージ上で表現できる今のキクだからこそ、このBlues Lionの歌詞と音があるのかも知れない。 そんな俺の勝手な思いなぞ関係なく、Blues Lionはカッコ良い。単純に、素直に、そして心をこめてカッコ良いと言える。 日本語のBluesだからといって、英語のBluesと違和感がある訳でもない。 このバンドは『I'm Ready』や『最後の勝負も勝ち目なし』などのカバーにオリジナルの日本語詩を付けたナンバーも、『Make Love to You』や『Midnight Sunshine』などのバンドオリジナルのナンバーも、まったく違和感なく演奏する。どちらもBlues Lionの音として、完璧に昇華されているからだ。 Bluesが本来持ついかがわしい雰囲気や深みのある音、そしてサンハウス〜Rubyで培われてきた今のキクの持つRockパワー、これが最上にブレンド・ミックスされたのが今のBlues Lionだ。だから掛け値なしでカッコ良い。 福岡初上陸のこの日のステージだったが、できればもっと観る機会が増えてほしい。そして、一刻も早く楽曲のアルバム化を望む。だって俺は毎日Blues Lionの音に溺れていたいのだから。 |
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<Start 19:25> 1. I'm Ready 2. Killing Floor 3. Common' Baby, 僕のそばに 4. Bunana in Your Fruit Basket <メンバー紹介> 5. 最後の勝負も勝ち目なし 6. Feel So Good, Yes Yes Yes 7. Midnight Sunshine 8. Lard Have Mercy 9. Suki Suki 10. Howlin' for My Darling 11. Whisky Head Woman 12. カラカラ 13. Make Love to You 14. Tiger in Your Tank <Encore> 15. I can't be Satisfaid 16. ビールス・カプセル <End 21:00> |
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