Today's Music
心が赴くままに今日聴いた曲
俺の気持ちも音に乗って揺れる
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1999.3月
1999.5月〜

DayArtists & Title感想など
12/18
(土)

ARB
『魂』
(COMPLETE BEST ALBUM)

今回のARBベスト盤は2枚組36曲入り!
何で今更、解散前のベストアルバムなのか?という疑問はちょいと残る。
選曲は定番と言えば定番やけどなかなかツボを突いた選曲じゃないかと思う。
ファン投票を元にした選曲なので、これが現在のARBファンの最大公約数的内容ということか?
サンハウスのBOX SET同様全曲リマスタリングしてあるけど、これが出来が良い!
BOX SETでの「有頂天」のリマスタリングでの音の生き返り様にはビックリしたけど、最近の技術は良いんやねぇ!
(ちゅうより、ちゃんとした人がちゃんと仕事した結果やろうけど)
こういうベストは寄せ集め的印象は否めなくてミキシングの違いが耳についてトータルバランスに欠けがちだけど、このARBベストはその点凄い!ファーストの曲と解散前のラストアルバムの曲が違和感ないしね。
楽器個々の音が際だって聞こえるリマスタリングには感嘆した。
ただ、初回プレス限定盤のオマケCD「魂こがして」5連発は不満。ARBにとっての代表曲だから、だろうけど、何か狙いがあからさま過ぎ。それにあんまり珍しくない(というか発表済の)テイクばかり集めてるし、もっと違ったアレンジの「魂」もあったはずだから、不可価値があまり感じられない。これなら珍しい曲の未発表Liveテイク(例えば「Knife in the mirror」とか「エレジー」とか、ね(←あるのか、そんなの?))の方がずっと良いと思う。
そんなマイナス点も、とにかくリマスタリングの素晴らしさが補ってくれるアルバム。

12/05
(日)
ARB
『EL DORADO』

前のアルバム(『REAL LIFE』)ではどうしても昔のイメージを損なわないように気遣った部分があったから、今度のアルバムこそが新生ARB…云々という趣旨の凌さんのインタビューをどこかで見かけていたので、正直出る前は敬遠していたアルバム。昔のイメージを未だ求める俺のようなタチの悪いファンは、いらん電子楽器や妙ちきりんなアレンジなんて期待してない。先に聴いた友人達の話を聞いても、ebi色やコ−ヤ色の良く出たアルバムだというし。
第一、聴く前に、「これから」「人として」などの各曲のタイトルだけ見て、こりゃ妙に文学的なアコースティック色濃い奴かエラクふにゃふにゃしたシャンとせんアルバムになってるのでは…と危惧していた。という訳で、発売されてもすぐに飛びつく気がせずに、少し購入をためらっていた。
しかし!聴いてみれば心配などまったく必要なし!
今ではTHE MODSの『KOWLOON JUNK』と並んで、最近の俺のヘビーローテーション・アルバムになってる。
(下の寺田恵子と言い、イラン心配が多いな>俺)
一発目の「これから」はいきなり良かギターリフで始まる、気持ちのいいナンバー。続く「LONESOME RYDER」は、前作の「はじまりの詩」同様、間違いなくARBの歴史に残る名作だ。シングルにもなった「反逆のブルースを歌え」も是非Liveで聴いてみたいノリのいい曲。
(結局今回の全国ツアーは観に行ってないし…今更後悔…)
危惧していたebi色やコーヤ色も、こんな色なら全然OK!暴走することなく、新しいARBのカラーを作り出している。なんか、この新生メンバーでの2枚目でやっと今のARBの音が確立した感じやね。
アルバムのトータルバランスも前作を凌ぐだろう。
ただ、そういう意味じゃ「EL DORADO」や「SOULFUL DAY」みたいな曲はちょっと苦手。前作の「サイバーレイン」や「バラとサボテン」が苦手なのと同様だ。ただ、これもLiveでは映える曲かもね。
いずれにしても、現役で心底ファンでいれるバンドが少ないだけに、ARBは今後あまり休むことなく活動を続けて行って欲しい。
(ただし、ジャケットデザインだけは未だに納得できんぞー!あんなんなら、wellさん辺りに頼んだ方が絶対いいジャケットが出来ると思う!)

11/01
(月)

寺田恵子
『悪い夢』

たまたま中古CD屋で見つけたアルバムだが、思わぬ名盤だった。
「寺田恵子ってショーヤ辞めてソロ出してたりしてたんだ」と思って手に取り曲順を見てみると…なんと全曲カルメン・マキ&OZのカヴァーやん!
で、じっくり聴き込んでみると、演奏は原曲の良さを壊すことなく、かといって完コピでもなく適度にアレンジも聴いていてイイ感じ。
(バックのメンバーにギターで元ARBの田中一郎が入ってるのにはビックリしたが)
で、肝心の唄。「しょせんショーヤだから(ファンの人、ゴメン!)とてもマキのようには…」と最初から過度な期待はしていなかったが、まったく逆に良い意味で予想を裏切った。
初めて寺田恵子がこんな魂入ったシンガーなんだ、ということを再認識した。
「空へ」や「私は風」なんかの大曲でも臆することなく、無理に崩すことなく、正当なマキ唄法を継承して堂々と歌い上げている。というか、彼女のフェイバリット・アーティストがマキらしいので、当然といえば当然だが。
かといって唄い回し方が鼻につくモノマネにはなっておらず、自分流に消化されている所は感心した。日本人シンガーのカヴァー曲でこんなに素直に感動を覚えてしまったアルバムはかってない。随所にマキへの敬愛が溢れる名盤だと言い切ってしまいたい!
(それに較べりゃARBのトリビュート盤なんてまったく×だ!余談だが、12月発売予定というロバート・ジョンソンのトリビュート盤には凄く期待している。なんといってもキクさん率いるBlues Lionが入っているし)
最後に選曲についてだが、こうも見事にトリビュートしてるから、是非とも「朝の風景」辺りのしっとりとした曲も聴いて見たかった。1994年発売のアルバムだが、これの第2弾が出たら俺は迷わず買うぞ。

9/14
(火)

『北九州Rock 大感謝祭』
アルバムタイトルがどうにも今一つうろ覚えなんだが、要は昔北九州で活躍していたアマチュアバンドを集めたオムニバス・アルバム。俺が高校の頃に発売されてたから1983年前後の頃の作品だろう。
10バンドほど入っているが、中でもハイヒール、NEW DOBB、ひるあんどん、摩天楼になしかは当時良く観たバンドだった。
ハイヒールは後半シンセを大胆に導入したアレンジでバンドカラーが大きく変わったが、それまではイキの良いビートバンドだった。このアルバムにも納められている代表曲「銀炎」のスピード感は抜群。
NEW DOBBはMODSと同じ時期に活躍していたバンドでその後プロデビューしたがパッとしなかった。俺は、アマチュアでは博多パラダイスとこのバンドの大ファンだった。
ひるあんどんは凄く声が伸びるボーカルが印象的なバンド。あのお姉ちゃんが太田黒エミ並のビジュアルがあったなら絶対全国的に大ブレイクしていたと思う。
摩天楼は3ピースのプログレロックバンドで、このアルバム収録の「耳なし法一」ではベースの超絶テクで琵琶法師を表現するという驚くべき事を見事にやってのけている。かといって人間椅子のようなおどろおどろしい雰囲気はなく、次の曲でいきなり「鉄腕アトム」を始める、何て言うお茶目な面もあった。
なしかは北九州屈指のジャズブルース・バンドだった。当時チェッカーズがステージで黒ずくめでやってた時期で、ドゥワップもブルースも九州は絶対東京より上だ!と思ってた。北九州大学の学園祭でシナロケが来た時になしかが競演したが、通常シナロケの前座は体力を温存しようとする聴衆の前で辛い思いをするのが通例なのに、このなしかで大盛り上がり!シナロケを見終わった頃にはスターリンのLiveの時よりクタビレタ記憶がある。

めんたいロックとして博多のバンドばっかりがマスコミにクローズアップされていたが、この当時確かに北九州にも確実に活気あるロックシーンがあった。
後にプロデビューしたUP-BEATなんてのはまだまだ格下だった。アマバンの常でどのバンドもメンバーチェンジを繰り返してなくなってしまったが、今でも全国的に通用する音だったと確信している。
しかし、残念なのはこのアルバムの音質。ミックスダウンがまったく良くない。妙に高音ばかりが目立ち、ボーカルの深みが感じられない音。なしかなんか、凄く聴かせるボーカルで、こんな音程不安定じゃなかったぞ!どのバンドもこのアルバムの何倍も実際のLiveの方が良かったと思う。
音質を差し引いてもこのアルバムを聴き返すたび胸がジンと来たり、当時の熱いシーンを思い出して鳥肌が立ったりする。
どのバンドも今やほとんど無名だろうが、俺にとっては手放せないアルバムの一つだ。

8/02
(月)

ヒカシュー
『夏』
俺の場合、梅雨時がクラフトワークなら、夏はヒカシューだ(笑)
出だしの「アルタネイティブ・サン」の爽快なカッティング・ギターで幕を空けるこのアルバムは正に「夏」だ。それもどこか(いや、かなり)屈折した高校時代の俺の夏。デビューシングル「白いハイウェイ」、ファーストのメロトロンサウンドと共に、ちょっとふざけていて乾いたサウンドが爽快。
3作目の「うわさの人類」は傑作のコンセプトアルバムだが、これ以降サウンドがどこかウェットになってしまった。デビュー時の輝きは、ヒカシューの場合にも2ndまでだったのだ。
そういえば、生まれて初めてみたLiveは80's Factoryでのヒカシューだった(笑)

7/12
(月)
クラフトワーク
『ラルフ&フローリアン』
梅雨時になると一連のクラフトワークの作品が聴きたくなる。無機質だけどどこかアナログな感じがするこのユニットのメロディと雨のリズムが良く合う。
クラフトワークは俺がテクノカットをしてシンセを弾いてた頃から好きなバンドだが、『ヨーロッパ特急』よりも更にこのアルバムの方が聴いてるかも知れない。
各曲のタイトルもタマラナイ。
「エレキ・ルーレット」!「トンゲ・ビルゲ」!「クリスタロ」!「アナナズ・シンフォニー」!…なんてアナログで素敵な響き!
「カッコ良いボーカルの名前は必ずカッコ良い」という理屈と同様、素敵な曲はタイトルから素敵なんだ!ということを俺に教えてくれたユニット。そして、今でもビートで疲れた頭をフワーッととろけさせてくれる音を聴かせてくれる。
これも一生聴き続けていくんだろうなぁ。

6/25
(金)
Char
『CHARACTER』

Charで唯一持っているCDは、初期の頃のBEST盤。
Charの音はアクがなさすぎてすっと聞き流してしまうだけの感じがして、このアルバムのあまり聴き込んではいない。
でも、今日初めて、心底「あぁCharいいなぁ」と思った。
出張で疲れた頭と身体には、変な毒もアクもないCharの音がすごく心地よく優しかった。そして決して妥協していない、繊細な音作りが耳に沁みる。
Charを好きな人は、きっと俺より大人の音楽が分かる人だろう。某信号さんとか(笑)

6/17
(木)
加藤和彦
『パパ・ヘミングウェイ』

俺が3番目に買った日本人アーティストのLP。
(ちなみに最初がゴダイゴの「マジック・カプセル」で2枚目は「アリスZ」(笑))
でも、未だにこのアルバムはよく聴く。
元々このアルバムのメイン・チューン、最上のダブ・ポップ「アラウンド・ザ・ワールド」のプロモをTVで観てこのアルバムを買った。
後で知ったことだが、このプロモでバックを演奏していたのはYMOの3人だった。YMOが他人の作品に絡むと、シナロケの「真空パック」のようにどうしてもテクノテクノした部分が出過ぎぎみだったが、このアルバムではまったく嫌みなく上質なポップミュージックに仕上がっている。
大阪からの帰りの飛行機の中で、ずっと景色を見ながらこのアルバムの曲が頭の中を流れていた。
と言うわけで、大阪から帰ってきてから度々聴いている。

5/21
(金)







サンハウス
『有頂天』








『BOX SET』が出て以来、このアルバムをまた良く聴くようになった。
あまりにも旧盤と音が違う。鮎川さんや奈良さんが気合いれてスタジオに通ってリミックスした、という成果が存分に現れている。
ただ、ひねくれてる俺は、「こんな音出せるなら、最初からこのレベルのリミックスで出せよ、テイチク!」と思ってしまう(笑)
で、暑かったこの日、車の窓を全開にして天神をこのアルバムかけながら走った。サンハウス普及活動中(笑)
でも、町中にサンハウスが流れてるなんてカッチョいいと思うよ、俺は。

5/20
(木)




















ニューエスト・モデル
『ソウルサバイバー』








実は大好きなこのバンドのメジャーデビュー盤。
圧巻はもちろん「ソウルサバイバーの逆襲」に尽きるが、その他にも「こたつ内紛争」や「尾根行く旅」など、名曲揃い。
ホンのちょっとだけ少年院の教官をしていた頃、毎日一時間余りの通勤の間、車内でずっとこのアルバムを聴いていた。
それだけに、未だに聴く度にあの頃の気持ち(精神的にも辛かった時期)を思い出す。一時期、辛くて聴けなかったが、今は貴重な当時の気持ちを振り返る薬みたいなものだ。
(ちなみに同時期に聴いてたのがたまの『しおしお』なんだが…屈折してるな(笑))

THE★MODS
『FIGHT OR FLIGHT』









このアルバム、結婚以来十数年聴いてなかった。
決して嫌いになったんじゃなく、聴く必要がない位、頭に沁み込んでいたから。ひょっとしたら、俺が一番繰り返し聴いたアルバムかもしれない。
先日、思いがけず中古CD屋でMODSを大量8枚、安くGETして、その中の一枚がこのアルバム。
説明してたらキリがないが、攻撃的な曲だけじゃなくて「Hey, Girl」や「くよくよしたって…」のようなメロウ・ナンバーがあってこそ、このアルバムのバランスとクオリティーを高めてると思う。
MODS、特にこのアルバムはいつ聴いても沁みるね。
(↑『演歌の花道』やない!)



E-mail:you@sun-house.net