「面白かったよね。その場でパッとやっても出来ん事はないっちゅう事よね。」 |
hakata-rock.net編集部 中倉(以下、「中倉」) |
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昨日のステージですけど、昨日はリハもなしでいきなりですか? |
柴山"菊"俊之(以下、「菊」) |
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リハ、ないよ。
曲も一応これとこれとこれを…って候補を挙げとって。『キングスネーク』と『I love you』と『レモンティー』のどれかをするって言ってて、アンコールの『ビールスカプセル』は候補にも挙げてなかった。
『レモンティー』はあれ、6番まで歌うのキツイなぁとか思って(笑)
『ビールスカプセル』は終わって川嶋が
「もう(アンコールで)歌わないですよねぇ?」
って言うけん、
「いや、いいよ」
って言って。『ビールスカプセル』やったら出来るやろうって。
で、始まったら白井のリフが何か違うしさ(笑)
「よくこんなんでみんな合うなあ」
とか思いながら(笑) |
中倉 |
カッコ良かったし客も大喜びやったですよ! |
菊 |
面白かったよね。良かったよ。その場でパッとやっても出来ん事はないっちゅう事よね。 |
中倉 |
柴山さんのバックで演りやい!って言われたら、相当腕に自信があっても、緊張して手がカチカチになっちゃうと思いますが(笑) |
菊 |
でも下山淳…あいつ、去年LOFTでCOVERの時に、たまたまマコちゃんと俺と奈良が出て、坂田(鬼平)も来とったけんさ、(サンハウスを)してくださいって言われて。でもギターがおらんけんさ、
「下山、お前ギター弾けぃ」
って急にさその日になって言って。どうせ曲を知らないだろうし、演った事あっても憶えてないだろうし、まぁこれで良いよね、って。サウンド・チェックやったけんさ。別のスタジオで入ってした訳じゃなくて、ステージの上で曲選んでちょろっと演っただけ。
そしたらあいつ、リハーサル終わって本番あるまで時間あるから、その間に家に帰って来てちゃんと覚えてきた。やっぱそれがプロなんよね。 |
中倉 |
下山さんは相当器用って話は聞いてますけど… |
菊 |
いや、器用だけじゃ出来ないよ。家に帰って全部きちーんと覚えて来て。だから、そういう風にしないと出来ないよな、ホントは。 |
「軽い感じがするよね。甘い感じがするっていうか…キーボードが入ると」 |
中倉 |
バンド編成について前から気になってたんで、それについてお訊きしたいんですが。BLUES LIONやZi:LiE-YAはキーボード抜きの4人もしくは5人での編成じゃないですか?その辺りは柴山さんとして何かこだわりはあるのかな、と。 |
菊 |
いや、普通バンドってそんなもんやろ(笑) キーボードがおるバンドとおらんバンドと…RubyではKYONがいたし。SENTIMENTAL FOOLはいっぱいおったけどね。 |
中倉 |
キーボードを特に否定したり嫌いなわけではない? |
菊 |
キーボードは別に嫌いな訳ではないけんさ。ただ…子供の頃からディープ・パープルがあんまり好きやなくてね(笑) |
中倉 |
電子オルガンの音がピラピラ入るってのは好きではなかった、と? |
菊 |
うん、アル・クーパーは好きやったちゃけどさ(笑) スティーブ・ウィンウットとかああいうのは好きやったちゃけど、なぜかディープ・パープルがダメやった。昔ね…十代のキースしよった頃。どうしてもあれがダメでさ。 |
中倉 |
あの当時に、博多に鍵盤奏者っていたんですか? |
菊 |
いや、おったよ。キースも後期、途中でキーボードが入ったけんさ。トラフィックとかしよったけんさ、どうしても要るやない?キーボードは入ったけど…どうしてもディープ・パープルはキライやったね(笑) |
YAMPO |
"Rockin' Boogie Band・SONHOUSE"って言い出した頃に、サンハウスにも全部じゃないけど、曲によっては何曲かキーボードが入ったらいいよね、って話もちょっと出たりしよった。でも、たいがい柴山さんが「つまらん!」って言うた(笑) |
中倉 |
俺からしたらサンハウスは曲が完成されてるから(キーボードは)必要ないと思うっちゃけど(笑)…例えば何の曲に入ったら、って話ですか?SETIMENTAL
FOOLアレンジの『あてなのない手紙』は、あれはあれで好きでしたけどね。キーボードが上手い具合に入ってて。 |
菊 |
あの頃、T.レックスの名残りでさ、シンセが流行ってたんですよ。キーボードと言うよりも。
『ビールスカプセル』もああいうビート感で一時しよった事があって、その頃にキーボードが。『THE
COVER』のヤツにもキーボード入っとるもんね。
軽い感じがするよね。甘い感じがするっていうか…キーボードが入ると。 |
中倉 |
バンド自体の音の圧力はないけど拡がりが出る、って効果はあると思います。 |
「プレゼントCD…聴けばものすごく良いよ。ウソーッ!?て言う位」 |
中倉 |
ところで、2枚目を出されて以降、今後のZi:LiE-YAはどうなって行きますか?今後もセルフ・カヴァーは入れるのかな?と思って… |
菊 |
セルフ・カヴァーは入れるんですよ。入れとかないと…そういうバンドやけん、基本的に。
Zi:LiE-YAというバンドは、オリジナルを中心にするけど、過去に俺がやってきた歴史みたいなものもやる。楽曲がさ…俺がやんないと死んでしまう楽曲が沢山ある。みんながやってくれてるんだったらしないけど、誰もやんないと楽曲死んじゃうじゃない。
Zi:LiE-YAをするようになってから、「自分の作品ですよ」って掘り起こしをしたいな、とも思って。 |
中倉 |
こっちはZi:LiE-YAのカヴァーはものすごく楽しみなんですよ。次には何のカヴァーが来るのかな、って。 |
菊 |
オリジナルばかりやっても面白くないっていうかさ、悪い方向に進んじゃう。ミュージシャンって。枚数を出して行くに従って… |
中倉 |
マニアックになるんですか? |
菊 |
ツェッペリンの三枚目も後になって良いって言われ出しただけで、出た当時はものすごう評判悪かった。でもツェッペリンは既にツェッペリンとして確立しとったけんね。だけん、三枚目失敗しても四枚目の『Rock And Roll』とか『Black Dog』とかで生き返れるけど、Zi:LiE-YAとかは、一枚目・二枚目と来て三枚目でそんなんなっちゃたら、もう元に戻れなくなるというか、生き返れなくなるよ、と。だから(ツェッペリンとZi:LiE-YAを)一緒に考えたらイカンって。そういう面ではね。
カヴァーは…こないだ、『水晶の船』(The Cristal Ship)をしたんですよ、アコースティックで。幸也と二人でCDプレゼント用にね。今度のツアーでプレゼントするヤツ…福岡の方には入ってないけど(笑) |
中倉 |
ゲッ(笑) |
菊 |
だって(東京と博多と)分けないと怒るけんさ、YAMPOが(笑)
分けて一曲しかダブってない。東京バージョンの方は『The Cristal Ship』、福岡バージョンの方は『Your Song』が入っとる。エルトン・ジョンのね。 |
中倉 |
ちょっと想像がつかない…どういうバックで演ってるんですか? |
菊 |
幸也がギター。ピアノもなしでアコースティックで。
「これ、しょうか?」
って幸也に言ったら
「演れませんよ、これ!ギターなんか入ってないですよ!」
って(笑)
でも演れって言うからって幸也が自分で色々苦心したら、何かキーが合わないって。ギターとピアノは違うから半音位下げましょうって。 |
中倉 |
幸也さんはARBでも昔の曲をアレンジで生まれ変わらせたりしてるんで、Zi:LiE-YAもそういう要素が加わって面白くなるかなと期待してたんですが、それは楽しみですねぇ! |
菊 |
だけん、結構『Your Song』良いよ。聴けばものすごく良いよ。ウソーッ!?て言う位。自分でビックリしたもん。 |
中倉 |
去年のプレゼントCDの中味もすごく良くて…選曲で痺れたんですよ。ジャニスとか『Unchain My Heart』とか入ってて。 |
菊 |
あれよりもっとイイよ!ニール・ヤングとかも入っとうし。 |
中倉 |
ギターが幸也さんに替わってるんで、また違う感じになってるだろうと期待してます。
ところで、年末のSpecial Present CDはもう何年目ですか? |
菊 |
3年目やね。 |
中倉 |
選曲基準は何かあるんですか? |
菊 |
全部俺が決める。 |
中倉 |
「今度これがしたいな」とかそういう感じで…? |
菊 |
結局、若い頃にカヴァーの曲しよったやない?それと同じでさ、その時の気分であ、この曲今やりたいな、と思ったら。 |
中倉 |
逆に、昔から演ってた曲、とは限らないですよね? |
菊 |
限らない。 |
中倉 |
『The Cristal Ship』とかあまり演った事ない… |
菊 |
した事ないよ、あの曲。
で、一応バンドで挑戦したんよ、『The Cristal Ship』は。で、家に帰って聴いたらメチャメチャでさ(笑)
カヴァーするって言っても、まず完璧にコピーして曲を解釈しないと。それが勉強にもなるし。 |
中倉 |
プロ(のミュージシャン)と言ってもそこで止まりじゃなくて、更に成長するために努力を重ねる必要があるって事ですね。 |
菊 |
人間はね、伸びるんですよ。五十になっても。 |
中倉 |
五十になっても伸びる…って言うのは柴山さんを見てたら分かるんですけど、でも逆はそれは柴山さんや鮎川さんだからそう出来るんだって気もするんですが。 |
菊 |
いや、違うと思うよ。誰だって勉強しないと伸びない。
俺、昔はもっと唄が下手やったはずやけどさ、昔より良くなったと思う。それは年齢を重ねてどうのこうのとか言う問題じゃなくてさ。だって『Your Song』とか歌えるようになったけんね。渋くなり過ぎずに。 |
中倉 |
Zi:LiE-YAで普段僕らが知らんような洋楽や知ってても再発見するような曲とかしてもらって、菊花賞では歌謡曲の古い良い曲を教えてもらえますよね。そういう点がすごく嬉しいです。
普通だったらセルフ・カヴァーするぜ!って『ホラ吹きイナズマ』とかはされますけど、それ以外にもレイ・チャールズもするわニール・ヤングもするわ、でこっちでは小林旭やってみようか?って。 |
菊 |
折角俺が色々知っとっちゃけんさ、それを発表する場所が俺にはあるけん、なら、した方がいいと思う。 |
YAMPO |
折角って言えば…折角CDにもなった曲をLIVEでもしてもらいたいなぁ、と思うよ。ほとんどLIVEでせんのもあるやん?例えば『ANGEL』とか聴きたかぁ〜って思うもん。 |
菊 |
あれ、(LIVEで)入れる場所がないんよ。 |
中倉 |
でもZi:LiE-YAのサウンドはどんどん進化してるから、今のSET LISTの中にはめてみたら良かった!とかあるかもしれないじゃないですか。 |
菊 |
そういう意味では幸也が入ってきて『I'm Ready』してみたり、『Tiger Your Tank』もしたし。 |
中倉 |
Zi:LiE-YAでBLUES LIONを初めてカヴァーされたから嬉しかったです。 |
菊 |
練習ではしてたんですよ。『満月の夢』も一枚目のアルバム作った時にやってみたし、Rubyの『エンジン・ブギ』もやってみた。色々練習ではしてる。シナロケの『ブラック・スネーク』とか。したけど、その時点ではつまんないな、と思って。
ステージでやって見てもそういう曲は俺の中では無意味な時間が発生して、それは次にする曲に影響しちゃう。『Bright Lighr Big City』みたいなとがしたい訳よ。ただ、速い曲ではないし難しい曲だし、演ってもコードだけ覚えて来られたらもうつまんなくなる。 |
中倉 |
そういう意味では、『Midnight Sunshine』なんかはBLUES LIONよりはむしろZi:LiE-YAにアレンジが合ってる曲だと思いますけど。 |
菊 |
その方がいいかもしんないね。カッコ良いと思うよ。
BLUES LIONでは自分の中で変なテクニックを使わずにBLUESの歌詞が書けるようになったけんさ。
今回、ヤードバーズの『幻の10年』ってあるじゃん?あれを日本語でしたけんね。あれ、絶対日本語にならんやろ(笑) |
YAMPO |
まず、日本語でって考えた事がない… |
中倉 |
しかし、ヤードバーズ演ろうと思っても、あの曲を取り上げようとはあまり思いませんよね? |
菊 |
そう?(笑)
結構でれ〜んとした歌やけんさ、英語で歌いよったらものすごオカシイごとなる。
で、家に帰って「この曲やめようかな〜難しい曲やし」って思いよったんよ。でもちょっと日本語の歌詞つけてみた。『Happenings Ten Years Time Ago』って原曲のタイトルと『幻の10年』っていう日本語のタイトルも違うし、いいやもう勝手にしてみろうと思って、自分の中の幻の10年みたいなさ、歌詞をちょっと作ってみろうかなぁと思ったんよ。
キースを始めて、グループサウンズのまねごとをしてた頃があってさ、それに突然外国からヒッピーみたいなものがバーッと来てそれに洗脳されて音楽観が変わって行った、俺の場合。だけん、そういうのを詞にした。バチーッ!とはまってさ。それが今回のプレゼントCDに入ってる。 |
中倉 |
ちなみに、どっちMIX(TOKYO or HAKATA)に入ってるんでしょうか? |
菊 |
『幻の10年』は福岡盤に入ってるよ(笑)
タイトルも『Flower』ってタイトルにして。 |
YAMPO |
ちゃんとラベルが印刷されとうとよ。東京盤と博多盤と違うラベルにして。 |
菊 |
前までは数百枚やったけん、手書きのサインにしたけど、今度は全国あちこちやけん、枚数も大変やし。
下書きのデザインは自分で書いて印刷した。タイトルも「Rock'N'Roll Winter」って付けた。 |
「来年は少し頑張ろうと思いよる訳よ」 |
中倉 |
今年はSpecial CDを配るツアーで〆と思うんですが、来年以降の話をお聞きしたいと思います。まずZi:LiE-YAは… |
菊 |
Zi:LiE-YAでは、最低年に2回は福岡に来たい。年に2回でも少ないんよね。
もう少し近ければさ、三ヶ月に一回位来れるのが…季節の変わり目と共に来れる位が一番良いっちゃけど、やっぱ毎月来るのは無理にしても、そん位のペースで来ないと、お客さんも増えんし新しい客も付かん。
プラスアルファのお客さんを増やそうと思ったら、ある程度コンスタントにやらないと。だけん、来年は少し頑張ろうと思いよる訳よ。 |
中倉 |
今年もかなり動かれましたよね? |
菊 |
いや、今の動き方ってただリサーチしようだけやから。「どんなもんかな?」とか。
まだ(地方で)ワンマンでやったりもしてないし。とりあえずスケジュールを埋めなければならないという使命感。ただひたすらにそげな事ばっかりしよっても、何年も同じ事ばかりしよる事にしかならん。曲が変わったにしても、同じ繰り返しをずーっと…駕籠の中におる二十日鼠のごとクルクルクルクルッ…って廻りようだけでさ(笑)、働いてるんだけど同じ所にしか居ないって言う…進んでいかない。
色んな人を見つける所には見つけてるんですよ。色んな所に。KIKU HEADSが福岡にあって、でもKIKU
HEADSだけではまかなえない可能性が出て来た時に、
「何とかしろよ!」
って言ったって出来ないし、言われて
「いいですよ、しますよ。でも責任持ってください」
って返せるようになった時に、形になって来ると思う。それにはもう少し外から何かが入ってこないと。
でも出来れば福岡は福岡のやり方ってのを作りたいと思う。で、それで仕事が出来るごと、もしなったとするじゃない?そしたら定年もないしね。で、他のZi:LiE-YAだけの事じゃない事も出来る可能性が出てくるじゃないですか? |
中倉 |
そうですね。 |
菊 |
だから、あのカエルの登録もしようかなと思ってるんですよ。 |
中倉 |
商標登録ですか? |
菊 |
全部の形を、一応ね。そんなに(費用も)かかんないし…。Tシャツ作って、バッジも作って、今度ペンダントも作ったんですよ。ハートの形したペンダント・ヘッド。それにカエルのマークが付いて、その上にもう一枚ハートが付いて。 |
中倉 |
物販が多いとLIVEがより楽しいですよね、ファンにしたら。 |
菊 |
うん、だけんそれを今度上手くある程度キャラクターみたいにして成り立つようになったらさ、置けるじゃん雑貨屋に。コーナーに置かして下さいって。売れんかったら別に何もならんけど、売れたら向こうにも何%か入るように。そういう、ものすご当たり前の話やけどなって行けば。大きな雑貨屋さんは無理にしても、街にあるそういうお店の人達と話して。そういうのも出来るようになって行くといいかな、って思ってる。 |
中倉 |
後は他の…Zi:LiE-YAのほかに菊花賞もあるし。 |
菊 |
菊花賞は来年一月に関西の方ツアーの予定があって、あれ以外に予定は今のところない。全然ないと言うよりは、頼まれたらするかもしれんなぁ、という感じでやってる。
まだ決定してないけど、今年は東京で春歌しようかな、と思いよる。"菊祭"(※毎年、菊の誕生日である6月9日="ロックの日"に東京で開催される、菊を中心としたイベント。通称KIKU
Fes。過去、BLUES LIONやZi:LiE-YAなど菊のバンドはもちろん、鮎川誠をはじめ、毎年実に多彩なゲストが出演している)の時に。 |
中倉 |
あ、"ロックの日"に! |
菊 |
そいけん、福岡でもしょうかなと思ったんよ、ロックの日の日にちは違うけど"菊祭"として。しょうがないやん、6月9日は同時にできないから、3箇所か2箇所のパッケージで日にちを変えて…福岡と東京で"KIKU Festa"としてやろうかな、とは思ってる。まだ分からんけどね。 |
「幸也が入ったけん、ちょっとだけでも…ARBのギターやけんね」 |
中倉 |
そう言えば、カヴァーでARBに詞を提供した曲は演られませんよね? |
菊 |
せんねぇ…ARBの歌って何かね…変なんですよ(笑) |
中倉 |
ARBの解散LIVE(※ARBは1990.10.27国立代々木競技場第一体育館でのLIVEで一旦幕を降ろしている。その後、1998.1.14新宿LOFTのLIVEで復活。以降、断続的に活動を続けている)で『SET ME FREE』を歌われた経由は…?
自分で詞を書かれた『クレイジーラブ』とかじゃなくて意外だったんですが。 |
菊 |
俺が一番最初に
「ARBの解散ツアーがあるから出てください」
って言われて、
「それぞれ自分が歌いたい歌を選んでください」
って言われて。
で、俺は最初何を選んだかな…『クレイジーラブ』と…『東京CITY』はイヤだから(笑)、『TIGER』を歌おうかなぁとか思いよったったい。 |
中倉 |
『TIGER』は良い! |
菊 |
で、色んな人が歌ったやん?原田芳雄が『さらば相棒』とか花田が『STANDING ON THE STREET』とか色々言って、有名なヤツ(曲)ばっかりで。
俺はちょうどARBの事務所やったけん
「柴山さん、悪いんですけど…ここら辺の方から選んでくれませんか?」
って言われて、白浜が入ってからの曲を選んでくださいって言うけん
「何で?」
って。そしたら
「いや、誰も歌ってくれないんですよ」
って(笑) |
中倉 |
ハハハ(笑)…アレンジにクセがあるからですかね? |
菊 |
「何で俺が歌わないかんと!」
って言って(笑) |
中倉 |
それじゃ貧乏クジじゃないですか(笑) |
菊 |
「じゃあ俺もう出ないよ!」
って言ってたんだけど、最後にギター弾きながら解散ツアーを廻ってるのは白浜だったし、じゃあやるかってリスト見たら、歌詞がものすご短いのがあって
「あ!これ歌詞が短い!」
って(笑) 同じ所ばっかし歌うじゃん、あれ(笑) |
中倉 |
そういう理由ですか!?(笑) |
菊 |
これやったら憶えやすいなぁ、って(笑)
で、聴いたらロキシーみたいな曲やったんよね。だから
「あぁ、『SET ME FREE』でいいや」
って(笑)
で、白浜と会ったんよ。で、あいつがリストをガーッと見て
「おっ、柴山さん『SET ME FREE』!やっぱり選ぶ人がスゴイなぁ」
とかさ(笑) |
中倉 |
(笑)
結果的にはARBの解散ツアーで『SET ME FREE』を歌う柴山さんを見て、ARBファンから柴山俊之ファンになった、って人もいる訳ですから選曲的にも間違いはなかったですよね!
『TIGER』も聴いてみたかったなぁ… |
菊 |
『TIGER』は練習した事あるんですよ。ちょっと練習してみろうかなぁ、と思って。 |
中倉 |
声質的にもピシャリ!はまりそうな気が… |
菊 |
なんか練習が上手くいかんかった。 |
中倉 |
あ、そうですか? |
菊 |
ARBの曲って何か演奏しにくいんですよ。意外と。歌謡ロックみたいで。歌いよって何かだんだん気持ち悪くなってきて(笑) |
中倉 |
ご自分の歌詞じゃないですか!?(笑) |
菊 |
いやいや、凌が歌うけんくさ、何かくさ〜いメロディが合う(笑) |
中倉 |
『TIGER』も
「かんぱぁ〜いっ!」
とか言わないかんですもんね(笑) |
菊 |
自分で作った歌詞なのにね(笑) |
中倉 |
「かんぱぁ〜いっ!」
って書かれたんでしょ?(笑) |
菊 |
うん(笑)
「『かんぱぁ〜いっ!』って言えよ!」
って俺言ったんよ(笑) |
中倉 |
人には言ってるのに(笑) |
菊 |
一回(凌が)来た時に
「カンパーイ」
って言ってるから
「何だよ、この乾杯はっ!」
って(笑)
『クレイジーラブ』の時も「ラ〜ブッ!」って何度も言う所、あるやろ?あそこを
「『ラ〜ブッ!』って絶叫せないけん!」
って(笑)
それを自分でしたら…恥ずかしくてさ、人には言っとるのに(笑) |
中倉 |
いや…してほしいです(笑)
(Zi:LiE-YAでやってるカヴァー曲で)ARBだけないな、と思って残念で。 |
菊 |
まだまだないのは沢山あるよ。ARBもないし、子供バンドもないし、ハウンド・ドッグもないし、陣内孝則もないし…する気がないとかな(笑) |
中倉 |
いやいや、いつかまた気が変わる時がある事を信じてます(笑) |
菊 |
でも幸也が入ったけん、ちょっとだけでも…ARBのギターやけんね。 |
YAMPO |
Zi:LiE-YAの時にARBの曲をね?う〜ん… |
菊 |
いや、ARBだけじゃなくて今も色々しよるやん。アン・ルイスとか。 |
中倉 |
ダメですか?『バラの奇蹟』は良くてARBはダメなんですか?(笑) |
菊 |
UP-BEATの『KISS…いきなり天国』ってあるじゃん?あれしてくれとかも言われたりするんですよ(笑)
『TIGER』は挑戦したんですよ。『SUSIE Q』みたいにしたら何とかなるかも、と思って。
♪ダッダダダダ、ガンガガガン…暗闇で爪を研ぎ〜♪って。
でも頭の中で発想してたら、ああいうロックのBEAT感とメロディが合わないって事が分かって。ずれるんだよね、あれ。凌は分かって歌ってるのかも知れないけど。何か浮いちゃうんよねビートが。 |
中倉 |
ギターが田中一郎さんだから、変なギター弾いてる訳じゃないのにですね。 |
菊 |
だから、フォーク出身だからあげんなったっちゃないかなぁ、って(笑)
甲斐バンドもそうやん?何かさ、歌謡の匂いがするやん。歌謡曲とはまた違うっていうか。
あれは日本人が作ったオリジナルの歌謡ロックなんよね。
俺がしよう歌謡ロックはオリジナルじゃなくて、ただの歌謡曲をロックに乗せて歌いよるだけで。 |
中倉 |
Zi:LiE-YAで観れるかどうかは別としても、何かの機会に観てみたいです。 |
菊 |
いや、Zi:LiE-YA以外じゃしないよ(笑) |
中倉 |
ARBでも『TIGER』は頻繁にしてる訳じゃないですしね。 |
菊 |
LOFTで一回観た時に割とカッコ良かったんですよ。ちょっと速くして。「お、カッコ良いなぁ。こういう風にすればいいのか」と思ったんだけど。妙なあのKEITHのビートと合ってて(笑) |
中倉 |
KEITHさんのタイコの感じはまた独特ですもんね。 |
菊 |
大島みたいなドラムでやっちゃうと押しつけがましいかなって。ドーンッ!って行っちゃう。
大島のタイコは、『I'm Ready』とかだとハマる。BLUES LIONの時より良かったりする。アメリカン・ハードロックになって。それに幸也のギターが♪ディンディディディ〜!って被って来ると、ちょっと位その日の調子が悪くてもカッコ良く聴こえる(笑) |
(以下、インタビュー(2)に続く) |