Today's Music
R&R, Blues, Punk, Techno...今日聴きたい曲が俺のROCK

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感想など

2006/1/19

Ultravox
『Vienna』

ある時期になったら必ず聴きたくなる、俺の中で"季節限定アルバム"ってのがある。
夏なら加藤和彦の『パパ・ヘミングウェイ』にヒカシューの『夏』、それからクラフト・ワークの一連の作品群。冬にはボブ・マーリー、ゲイリー・ニューマン、バグルス…そしてこのUltravoxの『vienna』
俺の音楽遍歴は中学時代にアリスでフォークにかぶれ、やがて高校でRCを聴いてカルチャー・ショックを受けてジャパニーズ・ロックへとのめり込んで行ったんだが、その過渡期に当時のテクノ・ポップ・ブームがあった。
テクノと言っても今のクラブ絡みのグニャグニャ踊るダンス系ではなく、元々のテクノ・ポップ。当時の音楽好きの大半が興味を示した経路通り、当然のようにYMOでテクノに触れ、ジャパニーズ・テクノ御三家とか言われてたプラスチックス・ヒカシュー・P-MODELを聴き漁り、その後ストーンズ聴いた連中がBLUESへと辿るように海外のテクノと呼ばれた作品を。そんな中で出合った一つがこのUltravoxだ(前置き、長げーよ!)
あまり多くのアルバムを聴いたバンドではないが、この『Vienna』は名盤。全曲名曲。
出だしの「Astradyne」のダイナミックさはどうだ。高校生当時、いつかはテクノバンドを組んでステージでこの曲を披露したいとずっと思っていた(俺のバンド歴の出発点はトランペットだが、高校時代はほぼシンセ・キーボード担当だったのだ)。
(当時、フォークのコピー・バンドは腐るほどいて(自分もその中の一つだったワケだが)、どれもまた決まったように(近頃のガキが175Rやゆずばかり判で押したようにコピーしているように)アリスやさだまさしとかばっかりやってた。しかし、テクノ系のコピーバンドってのは見当たらず、たまに見てもYMOの曲をオリジナル中に一曲だけ、とかいう程度だった。なので、自分が好きなテクノ・ポップの色んなバンドのカヴァー曲をワン・ステージで次々披露したらどうか?と夢想していた。ヒカシューとブルース・ウーリー&カメラ・クラブのカヴァーが連続して演奏されるなんてカッコ良くないか?と(笑) で、「Astradyne」は当然一曲目で演奏する。ちなみにラストの曲はYMOの「東風」で盛り上がる、と勝手に決めてた。実現する事はなかったが。)
続く2曲目の「New Europeans」は当時TVのCFでも使用されて印象深い。こんなに出だしのギター・カッティングがカッコ良い曲ってのはまずない。これはロックバンド・アレンジでカヴァーしてみたかった(笑)
他にも「Passing Strangers」のドラマティックさ、ラストの「All Stood Still」はHONDAのCFに起用されてたMADNESSの『IN THE CITY』にちょっと似てるし、「Western Promise」は坂本龍一のサウンド・ストリートのオープニング・テーマにも起用されてたヴォイス・レコーダーとシンセの絡みが最高な曲。未だに一曲一曲のクオリティが極めて高く、アルバム全体のトータル・バランスも優れているし。
こういうアルバムを夜な夜な部屋の電気を消して真っ暗な中、大音量で聴いていた高校生時代。音に集中しながら色んな事を考えて…時間がたっぷりあったんだな、あの頃。
今はそんな贅沢な音楽の聴き方する事はない。時間に追われてる毎日を実感してしまう。

2001/1/14

山部 善次郎
『Another side of Yamazen』

断言してしまおう。1曲目の"ハートのクイーン"は紛れもなく名曲だ。
30年博多で唄い続けてきた男、山善の今がここにある。
全体的にバンドサウンドよりは打ち込み中心な音の構成で、ギターよりキーボードが前に出過ぎな点がちょっと気になるが、心配ない。タイトル通り、これはあくまで現在の山善の全てではなく、一側面に過ぎない。
最近急激に積極的に再開したLive活動でも、アコースティックなしっとりしたナンバーから血沸き肉踊らせる山善節の利いたRock'n'Rollナンバーまで、幅広く唄っているようだし。
このアルバムは去年に博多の酒蔵内で行われた山善の絵の個展で入手したが、現在は通販などでも販売されているようだ。
山善はどこまでいっても、何をやっても根底は博多のロッカーであることが良く分かる、博多のロック・ファンなら必聴の一枚。





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